2008年02月22日
いなさ屋
今、久しぶりに読んでいるのが乙川優三郎氏の
「むこうだんばら亭」。
文庫本になってたんですね。
以前、このブログでもご紹介したことがありますが
これは江戸時代の銚子を舞台にした小説です。
いなさは、南東の風。
主人公・孝助が営む居酒屋さんの名前が「いなさ屋」
なのです。ただ象徴的に使われている別名は本のタイトルにも
なっている「むこうだんばら亭」。
だんばらは「利根川の水と海とがぶつかって生まれる
波」のことだそうですが、実際に銚子で使うか。。。と
問われると、私はこの小説に出会うまでは知らない言葉でした。
さらに、解説を書かれている国文学者の島内景二さんによると
「ダンバラ波」という言葉を載せた文献はなかなか見つからない
そうです。
心の激しい揺れを「だんばら」という言葉にかけているこの小説
ですが決して暗いばかりではなく、むしろその先にある(むこうに
ある)逞しい生き様がうっすらと浮かんで心が強くなります。
「いなさ屋」も、実際ありそうと思えるなんとも銚子らしい名前ですが、
小説の中にはたくさんの銚子言葉や銚子の地名が出てきます。
銚子縮やお醤油、松岸、飯沼観音、川口、明神、海鹿島。
読み進めながら、ふっとその時代にこの町に生きている錯覚をおぼ
え、明日は「いなさ屋」に行ってみようか、と思う男性も大勢いるよう
な気がします。
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- by すきくる事務局
- at 18:46
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